トリノホシ - AIと親友と、父と子と、鳥と少年の、物語

トリノホシ ~AerialPlanet~(公式サイト)

2008年2月28日にPS2にて発売されたSFスカイアドベンチャー、「トリノホシ ~AerialPlanet~」の感想です。
ソフトの販売は日本一ソフトウェアで、開発はエヌケーシステム。

このブログを終わらせるつもりで、最後の一本のつもりで、一生懸命に書きました(終わらんけど)。
なお、物語のプロローグには触れますがそれ以上のネタバレはありません。具体的に言うと、最初の島の部分までは語ります。
ちなみにそこまでなら語ってOKと判断した理由は、そこまで遊べる体験版が存在するためです。

まずは作品のあらすじを紹介。
説明書より転載します。私がどうこう語るよりも、魅力的だと思うので。

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何世紀も未来…
人類がついに相対性理論による光速の壁を迂回する方法を見つけ、恒星間航行に乗り出した時代。数々の星が植民地として開拓され、人類は星の海に広がっていこうとしていた。

はるか彼方の辺境…白鳥座α星デネブを近くに臨む水の惑星「コニウス・ブルー」の周回軌道にて、同惑星調査チームの小型宇宙船「ペリカン号」が微少天体との衝突事故に遭遇、惑星へと墜落してしまう。
ペリカン号には、調査チームの一員であるラマンスキー博士の他、もう一人、博士の息子である少年ヒューゴーが同乗していた。墜落していく宇宙船から、彼だけが救命ポッドでの脱出に辛くも成功し、大洋に浮かぶ小さな島へと着地する。
しかしそこは、その惑星唯一の調査基地から数千キロも離れた場所だった。ポッドの通信機は破損しており、救難信号を出すこともできず、捜索隊が出される見込みもない…

父親を失い、未開の惑星にたったひとり取り残された少年、ヒューゴー。
果たして彼は、はるか彼方にある基地までたどり着き、故郷へ帰ることができるのだろうか…

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そして、あらすじでは「ひとり」と書かれているヒューゴー(以下ヒュー)ですが、彼はひとりであってひとりでなく、すぐ傍に「カール」という素敵な相棒が居たりします。
カールはヒューが身に着けている左腕のリストバンド状端末に搭載されたサポート用AIで、豊かな心と知識を持った相棒としてヒューの帰還を全力でバックアップしてくれる存在です。
ヒューが挑むことになる数千キロの道のりも、カールの助けがなければ一歩を踏み出すことさえも難しかったかもしれない。
AIらしい豊富な知識に基づいた助言以上に、AIらしからぬ心のこもった暖かい言葉が、ヒューの旅の支えになっていた。間違いなくヒューは、ひとりではなかった。


  ◇  ◇  ◇(←リスペクト)


コニウス・ブルーは表面の98%が水に覆われた惑星なので、帰還を目指そうにも歩いて進むことさえ出来ない数千キロの道のりを如何にして乗り越えるかという問題があります。
そこでヒューの足となるのが、救命ポッドに積まれていた(未来の)家庭用グライダー。
グライダーと言っても風に乗り滑空するだけでなく加速も可能なエンジンを積んでいるので厳密には飛行機なのですが、イメージ的にも分かりやすいのでグライダーということで。
使い勝手がよく、ヒューの父親のラマンスキー博士が惑星の探査に愛用していたため宇宙船に積まれていた機体です。

しかしながら空を翔ることは可能になったものの、まっさらな海の上を何十日、あるいはそれ以上に亘って数千キロも飛び続けることは、ヒューの体力を考えても現実的ではない。
そこでカールが提案した帰還への道のりは、惑星に僅かに点在する島に降りつつ調査基地を目指すという物。
カールは惑星の正確な地図を所持してはいないものの、惑星の上空から確認できた地表のデータを元に地図を起こし、幾つかの島に目星をつけ、調査基地への道のりを考えてくれていたのです。

この案の最大の欠点は、彼らが『正確な地図』を所持していない点。
島から島への移動であっても数百キロの道のりにはなるわけで、正確な地図を持たずコンパスのみを頼りに98%が水に覆われた惑星に存在する数百キロ先の孤島に辿り着けるのか。
進む方角の1度の誤差が数百キロ先では途方もない差になるわけで、たとえ藁にもすがりたい状況であったにしても、あまりにリスクが高すぎる。

…そんなカールの案には続きがあり、そこで出てくる物が「鳥」なのです。

コニウス・ブルーには生物が生息しており、それはいわゆる私たちがイメージする宇宙人などではなく、地球の「鳥」に酷似した生物。
「トリノホシ」という作品タイトルが表しているように、コニウス・ブルーは鳥の星。水に覆われ育まれた自然に加えて木の実や虫、魚といった食料も豊富な、鳥たちの楽園なのでした。

カールの案はラマンスキー博士が遺した調査記録を基にした、島と島との移動には鳥たちの叡智あるいは本能をお借りしようという物。
コニウス・ブルーの「鳥」は見た目だけでなく生態系も地球の鳥に近いらしく、「渡り」を行う鳥も存在するのです。

つまり、「渡り鳥と共に島を渡ろう」というアイデア。

渡り鳥は本能で行き先の島の位置を知っており、たとえ数百キロ先の島へも迷うことなく辿り着くことが出来るので、彼らと共に飛べば島へと辿り着ける寸法に。
鳥たちと共に渡るには彼らと友好的な関係を築かなければならないわけですが…模索する中で得た答えは、鳥のコミュニケーション手段の一つである「鳴き声」。
このグライダーは惑星を調査していたラマンスキー博士のグライダーであり、当然ながら「鳥の鳴き声」も調査対象。グライダーには録音機器も搭載されている。
つまり鳥たちの発する「友好の鳴き声」を聞き、録音したその音を使うことで、彼らにヒューを仲間だと認識してもらうことが可能になるという。

ちなみに「友好の鳴き声」を入手するには、餌付けをしてみたり、一緒に飛んでみたり、あるいは困っている鳥を助けてみたり、あの手この手が必要となってくるわけですが…とにもかくにも見通しは立った。
島を探索し、目的の島の方角へと飛ぶ渡り鳥を探す。渡り鳥を見つけたら、友好関係を築き群れの一員となる。新たな島に辿り着いたら、再び渡り鳥を探し…と、これを繰り返し惑星の裏側に存在する調査基地を目指す。

カールの友を想う優しさと知恵が、父の遺した記憶と記録が、うつむき立ち止まっていたヒューの心を揺さぶり一歩を踏み出させることで、プロローグは終わり物語は動き出します。
そんなこんなで少年ヒューとサポートAIカールの、故郷を目指す長い長い旅が始まるのでした。


  ◇  ◇  ◇


ここからはグライダーを操作するアクション部分、飛行モードについて解説して行きます。

グライダーの操作はいわゆるフライトシムなアクションゲームとなるわけですが、フライトシムと言っても「エースコンバット」のような音速で空を飛び回るゲームではなく、風を感じ空を漂うゆったりとしたアクションになります。
NHKが放送終了後の深夜に流している空撮の自然の風景というか、空から日本を見てみようというか、そんな感じの画面を想像して頂けるとちょうどいいというか。
それと「パイロットウィングス」に近いという話を聞くのですが、そもそも私はパイロットウィングスを未プレイなのでなんともいえないという。
恐らく最もイメージが近い物は、「風の谷のナウシカ」にてナウシカが愛用していた空を翔る乗り物「メーヴェ」。あんな感じでフワーっと風に乗る感覚を味わえる作品です。

基本操作はアナログスティックによる上下左右の操縦かん操作+アクセル(R1ボタン)の押し込みで進行方向へと直進。上級者にはクイックターンや急降下といったテクニックなんかも用意されていたり。
何もせずともいきなり墜落するようなことはなく、とりあえずのんびりと空を飛ぶだけであれば誰にでも操縦可能な作りになっております。ちなみにオプションで一人称視点や反転操作の変更も可能です。

グライダーらしく風の影響を非常に大きく受ける機体なのですが、だからこそ、その風を掴んだときの気持ちよさは格別でして…。
追い風横風向かい風、時には嵐の中を突き進むこともあるわけですが、風を受けた際の「操縦かんに感じる重量」が凄いのです。
これはコントローラーを握った人にしか分からないことなのですが、向かい風の中ではアナログスティックに尋常ではない重さを感じ、上昇気流を掴んだ際には浮き上がるような軽さを感じていました。
PS2のコントローラーにそんな機能はないはずなのに、画面と指先がシンクロすることで脳が風を認識していた。この挙動の調整は地味に素晴らしい点だと思っています。

ちなみにこのグライダーは元が家庭用の製品のため安全上の仕様で限界高度(高度500m程度)が設定されているものの、上昇気流に入ればその限界を超えて数千メートル上空を飛ぶことも可能な代物。
上昇気流に包まれた際の浮遊感は最高に心地よく、普段は見られない限界を超えた上空の景色にも心が躍るので、是非ともその手で風を感じながらその景色を味わって欲しいです。


そして景色に絡めてグラフィックの話。「トリノホシ」はグラフィックの是非が微妙に分かれる作品なのですが、私はとても良い出来だと思っていたり。
是非が分かれるというのは、恐らく「地上のグラフィックがアップになると、かなり荒いから」なんですよね。確かに地上のグラは荒い。そこは納得。
ただ、トリノホシは「空を翔るゲーム」であり、そしてその空のグラフィックはとっても良いのですよ。コントローラーを通して風を感じられた一因は、画面の絵作りにもあったはず。

アクセルを押し込み薄い雲の中を通り抜け、時には雷が轟く嵐に放り込まれ、雨上がりには虹が輝き、赤く染まる眩しい西日には目を細め。
なんというか単純にグラフィックが綺麗というよりも、見せ方が、作り方が、とても上手かった印象がある。その場の空気を感じられるようで、一言で言うと、素敵だった。穏やかで気持ちのよい、しかし時には牙をむく、私の憧れる空がそこにありました。
なので、私は胸を張って「グラは良い!」と言わせて貰う。心がときめいてしまったんだから仕方が無い。ちなみに山や陸地も引きで見る分には問題なく良い景色です。


それと豆知識レベルの話なのですが、トリノホシの飛行パートのインターフェースは地味にイカしていたりします。
画面上部にレーダーと方角、高度や風向き等の情報が表示されるのですが、これの「一人称画面のインターフェース」がとても良い演出になっているのです。

何がイカしているかって、ヒューが操縦するグライダーの前方、頭の先に見える部分には簡易モニター(?)が存在し、そこにそれらの情報が表示されているのですよ。
つまりゲーム的な都合でそれらの情報が画面上部にポンと表示されているのではなく、実際のヒューの視線の先にもそれらが存在し見えているという作り。うん、イカす。
こういう遊び心、私は物凄く好きです。私は「ヒューの視点で、ヒューの見た景色を見たいな」と考えゲーム開始直後から一人称で遊び続けましたが、すんごい満足しています。
一人称については一部高難易度な場面もあるのですが、そこは心眼を会得することにより乗り越えましたぜ…。Don't think. Feel!


ゲームの進行に話を戻すと、飛行モードにて空を漂う中でヒューがすべきは鳥の捜索だけでなく、「キャンプ地の捜索」という要素もあったりします。
トリノホシは空を翔るゲームであって地上の移動等は存在しないわけですが、それにしても休息をとるためには地上に降りる必要があるわけで。そんな「安全に離着陸できる場所」を、空から探す必要があるのです。
探すといっても特別な操作は必要なく、島に数箇所設定されているキャンプ地の上空を飛んでいると「キャンプ地を発見」というお知らせと共に地上にアイコンが表示され、そこへ向かって降りていくと着陸が可能という(この操作、最初はちょっと難しい)。
ちなみにキャンプ地は高い位置からの方が見つけやすいので、何か特別な目的がない限りは高く高く飛んだ方がお得。単純に見晴らしもよくて気持ちがいいですしね。

飛行モード語りについてはこんな感じで以上かな?基本操作は最初の島でカールが教えてくれますし、途中の島でもしごいてくれます。
一つだけコツを挙げておくと、キャンプ地への着陸が難しい始めのうちは「上空から着陸ポイントに向かって降下する」のではなく「低い高度を維持して直進しながら着陸ポイントを目指す」方が簡単だと思います。低い位置のまま、ゆっくりと直進してキャンプ地へと向かうイメージで。


  ◇  ◇  ◇


というわけで、今度は着陸したキャンプ地の話。
キャンプ地では身体を休める「休息」や食料を探す「散策」。他にも周囲で羽を休めている「鳥」に対してアクションを起こせたり、ゲーム的なことを言えば「セーブ」や「ロード」もキャンプ地にて行えます。

「散策」を選ぶと指定した散策時間に基づいて、木の実であったり虫であったりと様々な食料を入手できます。虫は貴重なタンパク源…。
ちなみに同じキャンプ地で散策を繰り返すと収穫が少なくなるので、延々一つのキャンプ地に留まるようことはせず、身支度を整えたら次のキャンプ地を探しに発つことになります。

入手した物は「食料」コマンドで食べられるのですが、ここではひと手間加えることも可能です(生で食べることも可能)。
食料に対しては「加熱」あるいは「乾燥」といった加工が可能で、これにより味が上下するのですが…加工の一番の目的は「食料の寿命が延びること」だったりします。食料は放っておくと傷んで行くので、保存期間はとっても大切。
特に「乾燥」がその効果を発揮し、「干物や乾物は人類史に残る偉大な発明だな…」と実感させてくれるゲームだったりします。「とりあえず食料を手に入れたら干す」が基本になる程に、干物の素晴らしさを実感できる作品です。

そして食事をとることで「休息」の効果が変化するという要素も。
そんなに難しいことはなく、大雑把に言えば「空腹の場合は休息をとっても体力が回復しない」という物。食べてから寝るのが基本という。
たとえ食事による回復量は少なくても休息をとることで体力を大きく回復できるので、とにかく腹に物を入れておくことはとっても大切。
ちなみにヒューのステータスには「体力」と「満腹度」が存在し、「時間が経過すると満腹度が減り、ゼロになると空腹で体力も減っていく」というシステムになっております。
休息は時間を指定して行うので「食料を乾燥させている最中に休息をとる」といった効率の良い行動も可能なのですが、というか乾燥の便利さに気づくとこれが基本になるのですが…おかげで日中は乾燥&休息に割り当てられ(乾燥は日中にしか行えない)、健康なんだか不健康なんだかよく分からない超アウトドア派な夜型人間になってしまったり。

なお、色々な要素を書き連ねたため「なんとなく面倒くさそうだな…」と感じた方もいるかもしれませんが、基本的には「採取→食事→休息」とコマンドを選ぶだけの簡素な作りなので、ややこしいことはありません。


それと、散策や食事の際の最も楽しい要素は、ヒューとカールのリアクション。
初見の食料に対してはちょっとしたイベントが発生することもありますし、食料に対する一言メモも面白い。
「…全く食欲をそそらない見た目…正直これは食べたくない…」というようなリアクションから、食後には「これはキタッ!」とガッツポーズを決めるようなメモになっていたりと、単に体力を回復するアイテムというだけではない遊び心が加えられているのが嬉しくてね…。

ヒューは実践を通じて研究者以上にこの惑星を理解していったわけで、この冒険記を綴るだけでも立派な研究者に、そして調査チームの一員になれるのではと思うのですが(簡単に考えすぎかな?)、個人的にはヒューの冒険記には「コニウス・ブルーのグルメガイド」的な物も載っていると、というか多くのページを割いてくれていると嬉しかったりします。
未開の惑星の未知の食べ物へと手探りで挑むサバイバルなグルメ本は、学術的にも娯楽としても、とっても面白い物になるだろうなぁと。彼しか知らないコニウス・ブルー現地の食事事情がそこにある。
採取地や加工による変化といった記録的な側面だけでなく、全てに味のコメントがあって楽しい本になると思うんですよ。むしろそっちがメインというか。

…なんだかよく分からない話をしていますが、そんな妄想もしたくなるような作品なのだと捉えていただければ幸いです。


話を戻してキャンプモード。次はキャンプ地の「鳥」について。
キャンプ地にはヒューと同様に羽を休めている鳥も存在し、彼らに対して「観察」「餌付け」「追い払う」といった行動を取れるのです。
このコマンドはそこまで語ることのないシンプルな物なのですが、「観察」は文字通り鳥の状態を観察するという。鳥はのんきにうろうろしていたり、何かに怯えていたり、ケンカをしていたり。ちなみに鳥が食料を持っている場合は奪うことも可能です。
「餌付け」は友好度を上げる基本的な行動の一つで、好物を与えることにより友好度を上げ仲間にすることが可能。また、毒がありそうな怪しい食料を与えることで毒見をさせることなんかも出来たりします。
「追い払う」はあまり使う機会はないかもしれませんが…例えばケンカをしている鳥の一方を追い払うことで、もう一方の友好度を上げたりも出来ます。ちなみに反撃されて追い払えない場合もあり。

一度見た鳥は「図鑑」で確認することも可能で、そちらでは3Dモデルをゆっくりと鑑賞することも可能です。
また、鳥と食料は初期状態では名前が付いておりません。鳥は全て「未知の鳥」。食料は「赤い木の実」や「大きな羽虫」といった名称がデフォルトに。
全ては未開の惑星の未知の生物であり植物なので、ヒュー=プレイヤーの貴方が自由に名前をつけられます。名前だけでなくメモも添えられるので、気になる情報は記しておくと便利です。


最後に「セーブ」と「ロード」について。
…それらについて語ること、無くないか?と思われたかもしれませんが、二つ!二つだけ触れたいことがあるのです。

一つは、ロード時間について。
トリノホシのロード時間は、わりと長い。ゲーム開始時のロードが長い。具体的に言うと、たしか20秒以上はかかる。30秒までは行かなかったと思うのですが…とにかく長い。
ただ、私はこのロードも良い点だと思っていたりする。何が良いって、トリノホシは「ゲーム開始時以外には殆どロードを挟まない」のですよ。
つまり最初に一気にデータを読み込んで、以降は快適に遊んでもらおうという仕様。開始には少し時間がかかるけれど、プレイ中のロードによるストレスはゼロなのですよ。ホントに。
この仕様を知った上でなら最初のロードも「まぁしゃーないかな」くらいの気持ちで待てますし、どうかご理解プリーズという話でした。

ちなみに「プレイ中は読み込みに関するストレスが無い」という話には一つだけ例外があり、「仲間の鳥の数が物凄く増えた場合」は重くなりがちで最悪フリーズするのでご注意を。
具体的に言うと、100羽を超えるとちと危険。こまめなセーブをお忘れずに。キャンプ地への離着陸が特にフリーズポイントになりがち。
ただ開発規模を想像する限りでは(いやまぁ何も知らんのですが)、読み込み等も可能な範囲で十分に頑張っているソフトだと思うんですよ。プレイ中の読み込みは本当にありませんし、鳥だってものすんごく増やさなければ問題ありませんし(ものすんごく増やさなければいけないことがあるのが問題だったりするのですが)。
というわけで基本的には快適なので、あまり責めんといて…。あとイベントのフラグ管理が微妙に甘かったりもするのですが、責めんといて…。開発中の画像では3Dモデルだったキャンプ地の鳥がイラストのパネルになっているのも、責めんといて…。着陸時に会話イベントが発生してうわああああ着陸できねえええええという状況に陥るのも……これは責めていいぞ。


…話が膨らんだり逸れたりした気もしますが、とにかく一つ目の話でした。そしてセーブとロードに関する二つ目の話は、楽しく遊ぶためのワンポイントアドバイス。
トリノホシは20個までセーブデータを作成可能なので、島ごとにセーブを残している(新たな島へ辿り着いたら、上書きではなく新たなセーブを作る)方も多いと思うのですが、

「島ごとのセーブデータは『新たな島に到着後』ではなく『それまでの島を発つ直前』で残しておくと良いよ!」

という話。理由は二つあります。
一つは「備えとなる食料が少ない状態で次の島へ進んだ結果、上手くキャンプ地や食料を見つけられずに詰んでしまった場合、『前の島のデータは島に到着した直後の物しか無い』という状態だと、やり直すのが非常に面倒くさい」という理由。
同じ島を再び最初からやり直すというのはモチベーションが大きく落ちますし、私は貴方にトリノホシを楽しくクリアまで遊んで喜びに浸って欲しくてこの文章を書いているので、「うーん…めんどいからもういいや…」と投げてしまう可能性を減らすために書いています…エンジョイして貰うためには手段を選ばん男ですよ、私は。

そしてもう一つ。断言しますが、こっちが私の心にたぎっている本当の理由です。

島出発前の状態でセーブデータを残しておくと、「これまでの島を出発する場面」と「新たな島に到着した場面」のイベントを、手軽に何度でも見られるのですよ!

…はい、そんだけです。
しかしながら、『ヒューとカールの会話を何度でも見られる』…これに勝る理由があるだろうか。いや無い。
時には爽やかに前を向き、時には心を締め付る。そんな彼らの会話を、見たいときに何度でも見れてしまうんですよ…。
「あぁ…いい…いい…」と暖かく見守ることもあれば、「ああああああ………!!!!!」と声にならない声を上げ心を震わせることもある。そんな彼らの会話のために、この形でセーブデータを残してあります。いやマジで。

そんなこんなで、一つ目で書いたようにまともなメリットもありますし「とりあえず出発前のデータ保存は忘れずに!」と言っておきたかったのでした。
保険として島ごとのデータを残しておくことは真面目に推奨しますし、トリノホシ好きな人にはオススメ。マジオススメ。
各モードの解説はこれで終わりなのですが、こんな最後で良かったのだろうか…まともに語ろうと堪えてきたけれど我慢できずに決壊した感がある…。


  ◇  ◇  ◇


「あらすじ」「飛行モード」「キャンプモード」というゲームの基本的な部分の紹介を、好きなポイント語りも交えつつ終えました。
「トリノホシ」がどんな作品なのか、読んでくれた方の心へ届いていると嬉しいです。魅力的で素敵な作品だと感じて貰えれば、遊んでみたいと思って頂ければ、なおのこと。

そしてここからはトリノホシの最大の魅力である世界観やキャラクター、物語について触れていきます。ネタバレをする気は一切無いので、あまり語れないんですけどね。


まずは世界観について。
トリノホシは未来を舞台としたSF作品なのですが、すこしふしぎ…ではなくサイエンスなフィクションだけのことはあり、そのフィクションをSFたらしめている存在は、合間合間に挟まる細かな設定や解説にある。
置かれた状況を「そういうものだから」では終わらせない、散りばめられた科学的な考察に基づく理由づけが、とても楽しく好奇心をくすぐってくるのです。

例えば島の天候が一定の周期を保っているのは惑星の環境が原因ですし、エミリーの身長が低いのは宇宙空間の生活に適応するため。鳥が今の形に進化したのには理由があるし、その理由を考える限り、恐らく彼らの本能はさらなる進化を求めて未来へと羽ばたいて行く。
眼の前に存在する無数の事象にそんな科学的な理由を重ねることで、見える場所だけが描かれた書き割りの背景ではない、奥行きのある世界が創られている作品なんだと感じてしまう。
さらにそれらの考察はカールがヒューへと現状を説明する形でプレイヤーへと届けられたり、はたまたヒューが一人で想いを巡らせる中で至ったり、あるいはまた別の会話で判明したりと、単なる解説の羅列ではないコミュニケーションの道具として、彼らのキャラクター性を深める一因にもなっているんですよ。

超未来、未開の惑星、父を失い漂流した少年、鳥と、そしてAIの親友と共に、空を渡る長き旅。
設定だけでもワクワクします。物凄くします。ただ、その設定に至った世界を丁寧に真摯に作り上げてくれたおかげで、より深く作品へと心を重ねることが出来たと思うのです。
胸を張って言いますが、魅力的ですよ。トリノホシの世界観は。


それとトリノホシの世界観については勝手に思っていることがありまして、「この世界観、というか物語全般、さらに言うと作品そのものは…このゲームを作るために創られた物ではないのでは?」と考えていたりします。
なんというか、込められた厚みと奥行きがゲームに必要な量を超えている気がするのです。変な言い方をすると、この作品を作るために、ここまでガッツリと設定を詰めてくる必要は、無い気がするという…。
「盛りすぎ」だとかそういう単純な物量を言いたいのではないのですが…(無理やり大量のエッセンスを押し付けてくるような作品ではなく、むしろ描くべきことや伝えるべきことと不要なことの線引きはとても丁寧な印象)。
なんというか、「しっかりしすぎている」というか…ハッキリ言ってしまうと、数年あるいはそれ以上の月日の以前よりアイデアノートのような物に綴り温めていたネタを、念願の作品として世に出すべく全力でぶつけてきたような印象を受けるのです。
いやまぁ私が勝手に思っているだけなので、普通にゲームを作るぞと生み出された世界なのかもしれませんが…とにかく私の心は、そう感じてしまった。

だってさ…ハッキリ言うけど、こんなゲーム、今のご時勢(と言っても9年前ですが)普通はゴーサイン出ませんよ。
据え置きハードのオリジナルの新規タイトルで、SFと言ってもイカした登場人物が華やかにドンパチするタイプではなく、ハヤカワ文庫から出したほうがいいんじゃないですかね…という硬派な作り。
作れと言われて作られるような作品じゃない。作らせろと言って作る作品ですよ。愛の炎で情熱という名のガソリンに火をつけなけりゃ、動きませんよこんなプロジェクト。

というわけで、緻密な設定の全てが世界観の一部となり作品全体の魅力を押し上げているし、そして何よりも作品へ込められた真剣な想いが伝わってくるというお話でした。
…違ってたら恥ずかしいね!


てことで次はキャラクターについて。
最初に書いた「あらすじ」でも触れましたが、本作は未開の惑星に漂流した少年「ヒュー」とサポートAI「カール」の二人を軸として描かれる物語。
他の主な登場人物は、プロローグで離別することになるヒューの父親の「ラマンスキー博士」と、さっきいきなり説明もなく名前を出した「エミリー」という少女。あとは研究チームの同僚が二人ほど。
エミリーは調査チームの一員で、説明書や公式サイトでもメインキャラクターの一人として紹介されていてパッケージ裏にも載っている、店舗特典のテレカでは主人公のヒューよりも活躍していた金髪ツインテのツンデレ14歳ですよおまいら。

キャラクターの基本的な情報については、変に私が紹介するよりも説明書のキャラ紹介を載せた方が魅力的かつ分かりやすいと思うので、あらすじ同様転載します。

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ヒュー(ヒューゴー・ラマンスキー)
地球生まれの14歳の少年で、本編の主人公。
コニウス・ブルー研究チームの異星生物学者であるラマンスキー博士の一人息子。
仕事に打ち込むあまり家庭を顧みない父親を快く思っていなかったが、事故による父との突然の別れをきっかけに、父親と自分との繋がりを再認識していく。
宇宙船の事故でたったひとり未開の惑星上に放り出されたヒューは、父親が研究していた「鳥」たちと出会いながら、小型のグライダーで生き延びるための旅を始める。


カール
ヒューゴーの相棒であるサポート用AI。
メールや通話など、個人間の通信や情報検索をサポートするための人工知能ユニットで、人間味のある人格プログラムを持つ。
本体は小さなメモリチップで、ヒューの左腕のリストバンド状端末に搭載されている。
未開の惑星ゆえネットに接続できず、その機能をまったく発揮できない環境でありながら、様々な助言でヒューの旅をサポートする。


エミリー(エミリー・フェルドマン)
コニウス・ブルー研究チームのリーダーであるフェルドマン教授の孫娘。14歳の勝気で活発な女の子。
コニウス・ブルーの北半球極地の島にある調査基地に滞在している。
観測用グライダーの操縦に秀でており、科学者チームの足となって墜落した宇宙船及び救命ポッドの捜索に参加する。


ラマンスキー博士(デヴィッド・ラマンスキー)
主人公の父親でコニウス・ブルー研究チームの異星生物学者。惑星コニウス・ブルーに住む「鳥」たちを研究していた。
事故の際、限られた時間の中でヒューゴーを救命ポッドで脱出させた後、宇宙船と運命を共にする。


コーウィット博士(ジェレミー・コーウィット)
コニウス・ブルー研究チームの地質学者。ラマンスキー博士の友人。


フェルドマン教授(アーサー・フェルドマン)
コニウス・ブルー研究チームのリーダー。エミリーの祖父でラマンスキー博士の恩師。

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コーウィット博士とフェルドマン教授は出番が少ないので割愛して(スマヌ)、ヒューをメインに語りつつラマンスキー博士、カール、エミリーについて触れたいなぁと思いますです。


主人公のヒューは素直で優しい普通の少年なのですが、先の紹介にもあるように、物語の開始時点では父親と上手く行っていなかったりします。
まぁ「思春期」という一言で片付けられてしまう物かもしれませんが、コニウス・ブルーの研究にかかりっきりという父に対して思うこともあり、心にもやもやした苛立ちを抱えているんですよね。うん、思春期だこれ。

そしてそんな関係のまま、彼は父親と離別してしまいます。

つまりは純粋な悲しみだけではない後悔を抱えたまま、漂流者という異常な状況に置かれてしまうわけで…それはもう、心がパンクしてしまいますよ…。
そこからカールの助けもありヒューは帰還へと動き出すわけですが、父の過ごしたこの惑星を旅する中で、父が研究していた鳥と触れ合うことで、父と心を通わせ理解を深めて行く様子が、とっても愛おしいのです。
長き旅路に点在する父の背中を感じることで前へと進むヒューの心の動きが、とても素敵でした。

ちなみに、紹介の文章だけ見ると「ラマンスキー博士って、仕事人間で家族に冷たかったのかな?」と思われる方もいるかもしれませんが、むっちゃいい人です。
顔を見るだけで「あ、人がよさそう」と思ってしまう程度には。当然ながら家族のことも、とても大切に想っております。


そんなわけでヒューは惑星や鳥を知る中で父へと思いを馳せることになるわけですが、そんな旅を共にするのがサポートAIのカール。
彼はヒューの親友なのですが、親友であって親友とも言い切れない関係性だなーと思っていたり。
いわゆる「とても仲の良い同級生の友達」のような「親友」とは異なり、時にはヒューを見守る保護者であり、時には共に育った兄弟のような…家族の一員とも言える存在なんですよね。

カールはとても人間味のある性格でありながら、それと同時に自身がサポートAIであるという認識を崩すこともなく、旅の中で常にヒューを支え続ける相棒として魅力的に描かれておりまして。
帰還へ向けた計画を示してくれたこと以上に、心を許して気さくに話せる彼の存在そのものが、ひとりではないという事実が、ヒューの心の支えになっていた。
そんなヒューとカールの数千キロに亘る道のりを、帰還を、貴方の手で成し遂げ見届けて欲しいなぁと、強く願うのでした。トリノホシは、彼らの物語と言っても過言ではないので…。


…カールとの旅ばかりクローズアップしておりますが、この旅はエミリーとの旅でもあるわけで。そんなわけで、ここまでむっちゃスルーされてきているエミリーさんの話をば。
エミリーは「本作のヒロイン…なのだろうか」という感じのポジションでして…いや、エミリーに魅力が無いとかそういう話ではなく、カールがヒロインすぎるというか…。

個人的にエミリーの存在が大きいと感じる点は、「作中で初めて現れた、ヒューと対等な立場の人間」というところだったりします。
ラマンスキー博士もカールも、ヒューを守るべき立場の人間だった。それに対してエミリーは、同い年の女の子。研究チームの一員ではあるものの、ヒューと同様に14歳らしい未成熟な一面を抱えたキャラクターという。
今度はヒューが守るべき立場になるということではなく、共にこの道のりを乗り越えようと頑張る仲間であり友人というか。
キャラ紹介にもあるように勝気な性格のため、時には衝突することもあるわけですが、エミリーもとても良い子でね…。

それと当然ながらこの旅は全てが順風満帆と行くわけもなく時には苦境に陥ることもあるわけで、そんなときに誰かが傍にいてくれるということは、それだけでとても救いになる。
エミリーはその性格からヒューに対しても変に気を遣ったりはせず、わりとハッキリと物事を言ってくるタイプというのも良かった。ハッキリと言っても失礼な態度とかは取らないし、謝るときはちゃんと謝る娘ですからね。
事故により父を失い未開の惑星を漂流しているヒューに対して(恐らく意識しての物ではないけれど)湿っぽくならずに接してくれるのは、とてもありがたいことなんですよ…本当に…。


トリノホシという作品はつまるところ、この帰還への旅を通して多くの物事に出会い触れあい感じた中で描かれるヒューの成長物語だと思うんですよね。惑星の裏側の調査基地へと辿り着いたヒューは、その距離以上の、数千キロではとても足りない程の成長をしていた。
14歳の少年が様々な経験を経て子供から大人へと成長していく過程を、作品の中でとても大切に、丁寧に描いている。トリノホシのキャラクターの魅力は、そんなところにあると思います。
SFという括りだけでなく、ジュブナイル物が好きな方にも物凄くオススメ出来る作品です。

…ちなみにキャラ紹介の語りがこれまでの語りに比べて微妙に淡白なのは、物語には踏み込みたくないからです…ネタバレしたくないので、人となりと漠然とした話しか出来ないという。


物語については、プロローグの部分は最初に語ったし、それ以上の部分は今言ったように語れないのですが…一つだけ語らせて貰います。

私は貴方にトリノホシを遊んで欲しいと願ってこの文章を書いているのですが、この「遊んで欲しい」という願い。単に面白い作品だから触れて欲しいというだけではなかったりします。いやまぁ結果的には面白い作品だから触れて欲しいということなんですが。
結論から言ってしまうとトリノホシの物語は、実際にコントローラーを握り物語を進めた人間に突き刺さる作りになっているんです。遊んで欲しいから言っているわけではなく、文字通りの意味で。
物語だけ聞かせて貰うだとか、プレイ動画を見るだとか、そういった形では心臓へと深くは突き刺さらない。

「アクションの難所を乗り越えたから、達成感をヒューと共有できる」とか「実際に自分自身が主人公として遊んでいるから、作品への入り込み方が違う」とか、そういうことでもありません(当然ながら、そういう喜びもあるけれど)。
ゲームは漫画やアニメ、小説とは異なりプレイヤーが作品へと介入できる娯楽です。
プレイヤーの腕が物を言う高難易度のアクションからボタンを押して読み進めるだけのノベルゲーまで、作品によって度合いは違えど(たとえ文字送りのボタンを押すだけであっても)それは貴方が、そして私が導いた世界なんです。
そして導く過程がプレイヤーの手に委ねられているのであれば、導かれた結果も、プレイヤーの手に委ねられるべきでしょう。それに関してトリノホシは…素晴らしく、素晴らしかった。
だからこそ貴方にも単なる傍観者ではなく、共にこの旅を歩む一人として、コントローラーを握って欲しい。貴方の手でこの物語を導いて欲しいと、願ってやまないのです。

私はトリノホシを小説化して欲しいと願っているのですが(リメイクや続編よりも可能性があると思うので…)、たとえどんなに素晴らしい小説が書かれようとも、このゲームは唯一無二の名作であり続けると確信しています。
この意欲の込められた名作を、多くの人に「ゲーム」として体験して欲しいと願ってやまないのでした…。


◇ ◇ ◇


たまにわけのわからない話になりつつも、語りたいことを語れました。ゲームの紹介から、好きなところまで。
あとはもう実際に遊んでくれる人がいたら嬉しいなぁと、願うだけです。

私は心の中で彼の地の空を見上げるだけで、今でも泣いてしまうのですよ。たとえ話ではなく、本当に泣く。ラストは今でも克明に脳裏に焼きついているし、涙腺はあの日から壊れたままだ。
出発も、道中も、終着点も、彼らと共に旅を出来てよかった。全てを終えて、堂々と胸を張ってやりきったと言っているようにさえ感じてしまうシンプルで力強いスタッフロールを見ながら、ボロボロと幸せに泣いていた。

今はもうPS2を押し入れの奥にしまわれている方も多いと思いますが、遊ぶために本体を引っ張り出す価値のある作品です。
幸か不幸かプレミアが付くこともなく、お店で見かけることは少ないと思いますが通販なら安価で手軽に入手可能ですよ。
輝くデネブの向こう側に待つ、彼の帰るべき青い星に、果たして辿り着けたのか。貴方の手で導いて、貴方の目で見届けて、想いを馳せて欲しいなぁと願うのでした。

おしまい。





ちなみにトリノホシは全曲を収録したサントラつきの作品で、サントラは初回特典などではなく出荷されている全てのソフトのパッケージの中に入っていますです。ぱっと見は普通のPS2のケースですが開けてビックリ二枚組みの仕様となっており、そのうちの一枚がサントラという。
普通に考えたらサントラなんて絶対に出ない作品なので、感謝しかない…ありがとうミクさん…。

トリノホシは初音ミクさんとコラボしていた作品で(今ほどミクさんが出世する前です)、ミクさんが歌うイメージソングがあるんですよ。公式でも3曲聴けます。9年前の物ですし、当時の感覚でも結構カタコトな感じですが…。
ただミクさんだけでなく曲自体がいいし、さらに言うと歌詞がいいんですよ。私はミクさんのことをあまり知りませんが、クリア後に聴くとね、歌詞がね、ほんと、うん、うん、って感じだったりしてね…。
あと三曲目の間奏のアコーディオン(?)がイカす。公式サイトで聞けます。オプーナ等でお馴染みのベイシスケイプも関わってますよ!

そしてさらに、せっかくCDをオマケにつけるんだから、ついでにBGMも収録してイメージソング+BGMのサントラになったという(勝手な予想)。
いやだってさ、既に言ったけど普通に考えたらこんな無名のゲームにしっかりサントラつけてくれるとか絶対にありえんからね。ミクさんありがとう…ミクさんには感謝しかない…サントラつきでお得なのでみんなも買おう…ネタバレとかはないけどゲーム中で初めて聴いてこそ盛り上がるので(ED曲は特に)、クリアしてから聴いてね…。

あとはあれだ…設定資料集、出しておくれよ!おくれよ…。色々な細かな設定とか、データとか、島の情報とか、鳥のイラストとか、食料とか、彼らのなんやかんやとか(なんだよ)。載ってる本、おくれよ…。


そして製作者の一人としてシナリオその他諸々を担当されたオキシタケヒコさんは、現在小説家として活動をしていたりします。

オキシタケヒコさんご本人のサイト

私はトリノホシでファンになり、そこからずっと応援しているので、小説家としてデビューされたときは嬉しかった…本当に、嬉しかった…!
売れっ子になって描きたい物を書けるようになったら、トリノホシの小説を書いて欲しいと、願い続けている…。
ゲームのトリノホシがゲームのために書かれた物語であったように、単なる小説化ではなく小説のために改めて構築された物語になると確信している…。
ちなみにトリノホシと同じ世界を舞台とした物語も書かれているそうで。私は読んだことないので語れんけど。

そんなわけで、ちょっぴり小説にも触れる。まともな紹介は出版社のページやオキシタケヒコさんご本人のページをどうぞ


「What We Want」
デビュー作の短編。「原色の想像力2」に掲載。未来の宇宙を股に掛ける商人のお話。
…懺悔しますが、人気投票の結果発表で掲載されていた感想の一つ、私です!スンマセン!いや謝る理由はないんだけど、なんかスンマセン!
ちなみにファンだから入れたんでなく、きちんと全作読んで一番面白かったから入れたんですよ!買った理由は「ファンだから」だけど!

「波の手紙が響くとき」
音にまつわる不思議な事件が舞い込む音響屋さん(?)のお話。
3話まではSFマガジンに掲載。挿絵が違います(そっちのイメージだったので単行本の表紙を見たときは驚いた)。
一冊の半分を占めている4話は単行本書き下ろし。どの話も爽やかな読後感に包まれる素敵な物語。
音周りのネタがとても緻密で、すんごい色々と調べたりしたのかなぁとか思ったりした。

「筺底のエルピス」
漢字の読みは「はこぞこ」。人を狂わせる「鬼」と秘密結社の戦いを描いた能力バトル物。現在は4巻まで発売中。
1巻は1冊で完結。2巻以降は完全に続き物なので、手に取る際は1巻からどうぞ。
バトルの速度が尋常ではなく、一瞬の密度がとてつもなくとてつもないことになっていて、全員が一瞬で殺しにかかるのがとても心地よい。
最新刊の4巻がとんでもなくとんでもないことになっていて(主に読者が)阿鼻叫喚の地獄絵図なので、読み始めるには今が丁度良いタイミング。

「おそれミミズク あるいは彼岸の渡し綱」
田舎町で暮らす青年と彼を待つ座敷牢の少女を描いた、ボーイミーツガールな怪談SF(?)。
彼と彼女とその他諸々のお話の合間に、作中で読まれる怪談の一篇が実際に綴られていたりもします。
後半の畳み掛けるような流れにはグイグイと引っ張られ、読み終えてから想いを馳せる時間がとても気持ちよかった。
読んでいる際は「これ残りのページで間に合うのかな」なんて思ったりもしたのですが、しっかりやってくれちゃいました。


エルピスの4巻が地獄と化しているので「作者が鬼じゃねーか!」と言われがちな現在ですが、私はなんだかんだで最終的には幸せに終わるのではないかと予想していたり。
書きたい物を書いて欲しいので地獄のまんま終わっても一向に構わないのですが、希望ではなく予想として。
全てが決着し足を止めて倒れこんだとき、きっと暖かな腕に身体を預けられると思うんですよ。そして眼差しの先に希望を見据えて、力強く前を向いて終われるとも。
オキシタケヒコさんの作品は読後感が魅力的で、最終ページの最後の行をとても大切にされている気がするので(「とても大切にされている」からこそ、エルピス4巻のラストはとんでもないことになった)、きっとエルピスも最終的には気持ち良く終われるんじゃないかなーという楽観視。
上に書いたように私は作者の方には書きたい物を書いて欲しいので、「ククク…そうやって油断して安心しているがいい…」とぺんぺん草一本生えない終わり方をぶちかまされても、よっしゃ!どんとこい!というスタンスだったりはするのですが。



最後にオマケで、トリノホシの登場人物の名前の由来?について。全て「たぶん」ですけどね。

ヒューの名前の由来は、恐らくは海外でSF作品等に贈られる賞である「ヒューゴー賞」から(あるいはその由来である「ヒューゴー・ガーンズバック」か)。

ラマンスキー博士の「デヴィッド」はSF作家の「デイヴィッド・ブリン」からかな?
「デヴィッド」は珍しくもない名前ですが、その、なんというか、オキシタケヒコさんはデイヴィッド・ブリンを好きだと思うので…。

フェルドマン教授の「アーサー」は「アーサー・C・クラーク」しか浮かばないけど、あまりにもメジャーすぎるので違うのでは?とか思ったりもする。

とりあえず私が作品を読んだことがあって浮かんだ名前はこのくらい(合ってるかは知らんけど)。

カールは「カール・セーガン」だったりするのかなぁ。エミリーはよく分からず、コーウィット博士は「こびと」をもじったのでは?とか2chで見た気がする。

私はSFを全然詳しくないのでアレですが、詳しい人なら名前を見たら一発で浮かんだりするのかな。
他の名称も色々と元ネタがあったりするかもしれないし、なかったりするかもしれない。

あとどうでもいいけど、私がトリノホシを購入した動機の7割くらいはパッケージのイラストです。発売日の翌日あたりにたまたまお店で見かけてのジャケ買いという(一応ソフトの存在や公式サイト程度の情報は発売前から知っていたのですが)。
あのイラスト、素敵ですよね!ちゃっかりポスターも入手していたりします。嗚呼、自分の感性を信じて良かった…!

改めて、おしまい。
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